茶箱の修理

茶箱の漆器修理前
茶箱 修理前
茶箱の漆器修理前
茶箱 修理前

茶道に使う道具を入れる茶箱の修理です。

茶箱には掛合(かけごう)という丸い穴が開いたの中蓋があります。

この穴は抹茶を点てる茶筅(ちゃせん)を納める為のものです。

 

茶箱の破損箇所
茶箱 破損箇所

依頼品は所々欠けている箇所が見られます。

さらに色ムラもあるので今回は全体に塗り直します。

 

茶箱の漆器修理
茶箱 錆付け

破損箇所を接着剤と木粉を混ぜたもので埋めた後、錆漆で表面を整えました。

依頼品は下地がしっかりしているので、全ての下地を落とす必要がなく良かったです。

 

茶箱の漆器修理
茶箱 中塗り

茶箱に中塗りを行いました。

長く使っていたからだと思いますが、漆の乾きが悪い箇所がありました。

このまま上塗りを行うのも不安なので、もう一度中塗りを行います。

 

茶箱の漆器修理
茶箱 上塗り

中塗りを水研ぎした後、朱漆で茶箱を上塗りをしました。

 

茶箱の漆器修理
茶箱 蝋色上げ

上塗り後お客様のご希望で、蝋色師さんに蝋色(ろいろ)仕上げにしてもらいました。

蝋色とは漆の塗膜を磨き表面を鏡面仕上げにすることです。

 艶が上がった漆器もとても綺麗です。

 

茶箱の漆器修理完了
茶箱 修理完了

修理過程での失敗

茶箱の蓋の切れ
茶箱の蓋の切れ

茶箱を上塗りした後、蓋の側面に切れを発見しました。

一見分かり難いですが、蛍光灯の光に線が入っている所です。

茶箱の下地に小さな傷があったのを見逃してしまったようです。

このままにしておくとここから剥離していくでしょう。

かなりショックですが、お客様に納める前に気付けたことが不幸中の幸いです。

 

茶箱の蓋の切れの漆器修理完了
茶箱の蓋の切れ 修理完了

茶箱の傷を彫り、錆漆を付け、漆を塗り直しました。

今度は蛍光灯の光に傷は見えません。

依頼者に茶箱を納めた所とても満足していただきました。

喜んでいただきとても良かったです。

今回の仕事で改めて最後の確認は大事だと感じました。

 

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前田最嗣(アツシ)
前田最嗣(アツシ)

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普段は主に下地の仕事をしている四代目です。

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